教室のあゆみ
浜松医科大学外科学第二講座は、阪口周吉先生を初代教授とし、浜松医大の開学と同時に開設されました。
阪口先生は血管外科を専門とされ、前任の慶應義塾大学時代からまだ黎明期であった本邦の血管外科をリードされました。大腸外科の馬塲正三助教授(故人)、肝胆膵外科の中村達講師(前浜松医大学長)、上部消化管外科の戸倉康之講師(元浦和市立病院院長)そして後に今野弘之先生(現浜松医大学長)を加えて、外科学第二講座を主宰されました。当時の阪口先生の教室では、他にも故青木克憲先生(前浜松医大救急部教授)、神谷隆先生(元市立湖西病院院長)、小谷野憲一先生(元社会保険浜松病院院長)ならびに浦野哲盟先生(前浜松医大医生理学教授、現静岡社会健康医学大学院大学副学長)など、まさに百花繚乱の先生方が活躍されていました。阪口先生は常に”良き研究無きところに良き臨床無し”をモットーに外科医として新しい研究テーマを追い求め、我々医局員に大学で働く意義を教えられました。昭和63年には「血栓症の病態生理と治療に関する研究」で中日文化賞を受賞され、また昭和61年には第9回世界静脈学会を京都で、昭和63年には日本脈管学会を浜松で主催されました。昭和63 年に浜松医大の教育担当副学長に就任され、浜松医大光量子医学センターの設立にご尽力されました。ご退官後も町立浜岡総合病院病院(現在の市立御前崎総合病院病院)院長として活躍されました。90歳で亡くなられた年に行われた恒例の”阪口先生を囲む会"にもお元気な姿を見せてくださり、私たちに研究の大切さを説いて下さいました。
平成2(1990)年10月、
馬塲正三先生が第二代教授に就任されました。卓越した英語力を発揮し、海外における消化管疾患、特に遺伝性大腸癌と炎症性腸疾患について、常に世界の先端情報を日本へ発信されました。当時の日本では、これらの疾患は稀とされていましたが、遺伝性大腸癌も炎症性腸疾患もいずれ欧米に匹敵する頻度になると確信されていました。日本でもすぐに研究探索を開始すべきとの硬い信念のもと、浜松医科大学開学当初より、基礎研究に、臨床にとご活躍されました。その業績や医学界へ与えた影響は計り知れなく、現在、これらの大腸疾患は馬塲先生の予言どおりとなっており、世界へと発信する多くの研究者の礎となっています。
平成10(1998)年4月、
中村達先生が第三代教授に就任されました。平成16年からの病院長時代には新病棟建設や国立大学法人化に、平成22年~28年の学長時代には本学の第2期中期目標の策定・目標達成にご尽力されております。臨床面では肝胆膵外科を専門とし、肝静脈解剖や肝静脈再建にかかわる論文で肝静脈機能について多くの肝臓外科医を啓蒙されました。研究面では内因性メディエーターが肝再生や虚血再灌流障害に与える影響について多数の報告を行われました。学長就任後は、本学を光医学分野で日本・世界をリードする大学にすべく尽力され、研究組織の構成や関連機材の設置に努められました。
阪口先生は血管外科を専門とされ、前任の慶應義塾大学時代からまだ黎明期であった本邦の血管外科をリードされました。大腸外科の馬塲正三助教授(故人)、肝胆膵外科の中村達講師(前浜松医大学長)、上部消化管外科の戸倉康之講師(元浦和市立病院院長)そして後に今野弘之先生(現浜松医大学長)を加えて、外科学第二講座を主宰されました。当時の阪口先生の教室では、他にも故青木克憲先生(前浜松医大救急部教授)、神谷隆先生(元市立湖西病院院長)、小谷野憲一先生(元社会保険浜松病院院長)ならびに浦野哲盟先生(前浜松医大医生理学教授、現静岡社会健康医学大学院大学副学長)など、まさに百花繚乱の先生方が活躍されていました。阪口先生は常に”良き研究無きところに良き臨床無し”をモットーに外科医として新しい研究テーマを追い求め、我々医局員に大学で働く意義を教えられました。昭和63年には「血栓症の病態生理と治療に関する研究」で中日文化賞を受賞され、また昭和61年には第9回世界静脈学会を京都で、昭和63年には日本脈管学会を浜松で主催されました。昭和63 年に浜松医大の教育担当副学長に就任され、浜松医大光量子医学センターの設立にご尽力されました。ご退官後も町立浜岡総合病院病院(現在の市立御前崎総合病院病院)院長として活躍されました。90歳で亡くなられた年に行われた恒例の”阪口先生を囲む会"にもお元気な姿を見せてくださり、私たちに研究の大切さを説いて下さいました。
平成2(1990)年10月、
馬塲正三先生が第二代教授に就任されました。卓越した英語力を発揮し、海外における消化管疾患、特に遺伝性大腸癌と炎症性腸疾患について、常に世界の先端情報を日本へ発信されました。当時の日本では、これらの疾患は稀とされていましたが、遺伝性大腸癌も炎症性腸疾患もいずれ欧米に匹敵する頻度になると確信されていました。日本でもすぐに研究探索を開始すべきとの硬い信念のもと、浜松医科大学開学当初より、基礎研究に、臨床にとご活躍されました。その業績や医学界へ与えた影響は計り知れなく、現在、これらの大腸疾患は馬塲先生の予言どおりとなっており、世界へと発信する多くの研究者の礎となっています。
平成10(1998)年4月、
中村達先生が第三代教授に就任されました。平成16年からの病院長時代には新病棟建設や国立大学法人化に、平成22年~28年の学長時代には本学の第2期中期目標の策定・目標達成にご尽力されております。臨床面では肝胆膵外科を専門とし、肝静脈解剖や肝静脈再建にかかわる論文で肝静脈機能について多くの肝臓外科医を啓蒙されました。研究面では内因性メディエーターが肝再生や虚血再灌流障害に与える影響について多数の報告を行われました。学長就任後は、本学を光医学分野で日本・世界をリードする大学にすべく尽力され、研究組織の構成や関連機材の設置に努められました。
平成16(2004)年11月、
今野弘之先生が第四代教授に就任されました。臨床では上部消化管外科科を専門とし、胃、食道の悪性疾患に対する外科治療、集学的治療を直接担当し、後進の指導に従事されました。また研究面では、常に「リサーチマインドの涵養」の重要性を自ら示し、腫瘍血管新生を中心とした消化器がんの浸潤・転移・再発機構の解明、消化管間質腫瘍(GIST)の遺伝子解析、光技術を用いた消化器がんの診断・治療、周術期血栓症の病態と予防など、幅広い分野で多くの業績を残されました。さらに、日本胃癌学会第2代理事長、National Clinical Database (NCD)の第2期データベース委員長など多くの学会要職に就かれ、平成23年には日本がん転移学会学術集会・総会、平成27年には第70回日本消化器外科学会総会を浜松にて主催されました。平成26年には副学長、医学部附属病院長に就任、平成28年4月からは、浜松医科大学学長として、本学の更なる発展にご尽力されております。
今野弘之先生が第四代教授に就任されました。臨床では上部消化管外科科を専門とし、胃、食道の悪性疾患に対する外科治療、集学的治療を直接担当し、後進の指導に従事されました。また研究面では、常に「リサーチマインドの涵養」の重要性を自ら示し、腫瘍血管新生を中心とした消化器がんの浸潤・転移・再発機構の解明、消化管間質腫瘍(GIST)の遺伝子解析、光技術を用いた消化器がんの診断・治療、周術期血栓症の病態と予防など、幅広い分野で多くの業績を残されました。さらに、日本胃癌学会第2代理事長、National Clinical Database (NCD)の第2期データベース委員長など多くの学会要職に就かれ、平成23年には日本がん転移学会学術集会・総会、平成27年には第70回日本消化器外科学会総会を浜松にて主催されました。平成26年には副学長、医学部附属病院長に就任、平成28年4月からは、浜松医科大学学長として、本学の更なる発展にご尽力されております。
平成29(2017)年3月、
竹内裕也先生が第五代教授として慶應義塾大学より赴任されました。上部消化管外科を専門とし、食道癌に対する低侵襲手術、集学的治療、周術期管理、胃癌に対する低侵襲手術、腹腔鏡内視鏡合同手術、センチネルリンパ節生検による個別化手術などを通し、治療成績の向上に尽力されております。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)においては、JCOG1409試験等の研究事務局を担当し、令和5年4月には食道グループ代表に就任されました。日本消化器外科学会、日本食道学会、日本胃癌学会、日本胸部外科学会など数多くの学会理事職に就かれ、令和5年6月には日本食道学会理事長に就任されました。令和4年10月には第302回東海外科学会、令和4年11月には日本消化器病学会東海支部第137回例会、令和5年6月には第47回日本リンパ学会総会を浜松にて開催いたしました。医学部附属病院においては、副病院長、医療安全室長、腫瘍センター長、DataOpsセンター長としてご尽力されております。
竹内裕也先生が第五代教授として慶應義塾大学より赴任されました。上部消化管外科を専門とし、食道癌に対する低侵襲手術、集学的治療、周術期管理、胃癌に対する低侵襲手術、腹腔鏡内視鏡合同手術、センチネルリンパ節生検による個別化手術などを通し、治療成績の向上に尽力されております。日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)においては、JCOG1409試験等の研究事務局を担当し、令和5年4月には食道グループ代表に就任されました。日本消化器外科学会、日本食道学会、日本胃癌学会、日本胸部外科学会など数多くの学会理事職に就かれ、令和5年6月には日本食道学会理事長に就任されました。令和4年10月には第302回東海外科学会、令和4年11月には日本消化器病学会東海支部第137回例会、令和5年6月には第47回日本リンパ学会総会を浜松にて開催いたしました。医学部附属病院においては、副病院長、医療安全室長、腫瘍センター長、DataOpsセンター長としてご尽力されております。