留学体験記 境井 勇気先生
KINGCA week 2024, Master Class 参加報告書
この度、日本胃癌学会の海外学会参加補助制度により、2024年9月26日から28日までのKINGCA Weekに参加し、9月30日から10月2日の期間、Seoul National University HospitalでのMaster Classに参加させていただきました。私は医師6年目で、上部消化管外科の大学院1年生として研鑽を積んでいます。海外での学会参加は初めての経験となります。参加した際の感想や現地の施設の様子についてご報告いたします。来年度以降のKINGCA Week参加を検討されている方々の一助となれれば幸いです。
KINGCA week 2024
掲示させていただいたポスター
まずはKINGCA Weekについてご報告いたします。私はポスターを掲示する形式で発表を行いました。当院での残胃癌症例のまとめと手術方法の比較検討の結果をA0ポスター1枚にまとめ、会場に掲示しました。ポスターは合計約200名が掲示しており、興味深い発表が多数ありました。講演発表では、世界各地の著名な先生方が発表され、非常に勉強になりました。私が聴講した内容としては、初日と2日目に傍大動脈リンパ節転移、残胃癌、腹膜播種、オリゴメタスタシス、高齢者に関する治療方針の明確な指針が決定していない部分についての意見を伺ったり、遺伝性悪性腫瘍や新しい抗がん剤についての最新の知見を得たりしました。2日目の夜にはGala Dinnerがあり、主催者の方々が参加者をもてなすパーティーを開催してくださいました。ミュージカルやライブがあり、最後にはMaster Class参加者の表彰も行われました。多国籍の先生方ともお話しでき、非常に素晴らしい機会でした。最終日は、KINGCA Week参加者にStage IV胃癌に対する治療方針に関する事前アンケートを実施し、その結果について著名な先生方が討論するconsensus meeting sessionに参加しました。非常に高度な議論が英語で行われ、参加者の意見が決定される会でした。総じて3日間全てが刺激的で勉強になりました。
Master Class
次にMaster Classについてご報告します。Seoul National University Hospitalでの実習は8時から17時頃までで、手術見学をしながら教授の先生方がさまざまなことをレクチャーしてくださいました。私が実習した際には、シンガポール人1名、ロシア人1名、スペイン人1名、アイルランド人1名と、多国籍の学生と共に参加しました。その他にも多くの海外からの見学者がいました。初日は主にYang, Han-Kwang教授がご指導くださいました。自分のことを「Sakai!」と何度も大きな声で呼んでくださり、当初は緊張しましたが、親しみやすさを感じ、嬉しかったです。午前中はICG蛍光法を用いたPPGを見学し、午後にはLDG術後のOTGを見学しました。特にPPGは私の施設ではほとんど経験がなく、非常に興味深かったです。Yang, Han-Kwang教授は手術技術が非常に優れているだけでなく、外科医としてのあるべき姿を教えてくださり感動しました。術後のインフォームド・コンセントは十分な時間をかけて行われ、患者の家族が納得できるように丁寧に説明していました。「術後の15分が、今後の家族との関係性を決める」とおっしゃっており、非常に感銘を受けました。また、看護師だけでなく、病理医や自分が関わるであろうスタッフとも非常に仲良く接しており、友好的な関係がなければ質の高い医療は提供できないとおっしゃっていました。
2日目と3日目はLee, Hyuk-Joon教授の手術を見学させていただきました。手術はLDG、LSG、RDGと多岐にわたり見学しました。韓国では、B-I再建が難しい症例ではB-II再建をすることが多いという方針の違いがあり、非常に刺激になりました。また、エビデンスに基づいた知識や、それを加味した意見も教えていただきました。手術技術も非常に優れており、迅速な処置や不測の事態に対する的確な対応を見せていただき、感動しました。最後のRDGでは、自分が術野に入り助手を務めさせていただきました。英語でコミュニケーションを取りながら手術を行ったのは初めてで、戸惑う場面もありましたが、最後にはお褒めの言葉をいただき、非常に嬉しい経験でした。また、フェローの先生方は非常にハードワークをされており、フェロー生活について伺うことができ、とても興味深かったです。実習が始まるまで非常に緊張していましたが、教授やフェローの先生方がとても優しく、教育的な指導をしてくださり、有意義な三日間となりました。
若輩者の私が参加させていただきましたが、すべての経験が新鮮で刺激的でした。今後のモチベーションにつながる非常に良い機会でした。一方で、国際社会で外科医として生きていくために自分に足りない部分も自覚できました。一つ目に、他国の先生方と比較して圧倒的に英語力が劣っていることを痛感しました。私は話の内容についていくのが精一杯で、私のためにゆっくり話していただくこともありました。積極的に話そうと試みましたが、専門的な討論を行うのは難しかったです。二つ目は、自分の意見の主張が弱い点です。現時点では、ガイドラインを学び、自大学の標準治療を学び、どのような経過をたどるかを学んでいる段階で、確固とした意見を持てていません。一つ一つの治療方針について、自分なりの答えを見つけていくことが今後の課題だと感じました。最後に、積極性の違いを実感しました。一緒に参加した方の中には、自分でインターネット検索し、直接Yang, Han-Kwang教授にメールを送り実習に参加している方もいました。私は与えられた環境に満足し、自ら求める意志が弱いなと感じました。
2日目と3日目はLee, Hyuk-Joon教授の手術を見学させていただきました。手術はLDG、LSG、RDGと多岐にわたり見学しました。韓国では、B-I再建が難しい症例ではB-II再建をすることが多いという方針の違いがあり、非常に刺激になりました。また、エビデンスに基づいた知識や、それを加味した意見も教えていただきました。手術技術も非常に優れており、迅速な処置や不測の事態に対する的確な対応を見せていただき、感動しました。最後のRDGでは、自分が術野に入り助手を務めさせていただきました。英語でコミュニケーションを取りながら手術を行ったのは初めてで、戸惑う場面もありましたが、最後にはお褒めの言葉をいただき、非常に嬉しい経験でした。また、フェローの先生方は非常にハードワークをされており、フェロー生活について伺うことができ、とても興味深かったです。実習が始まるまで非常に緊張していましたが、教授やフェローの先生方がとても優しく、教育的な指導をしてくださり、有意義な三日間となりました。
若輩者の私が参加させていただきましたが、すべての経験が新鮮で刺激的でした。今後のモチベーションにつながる非常に良い機会でした。一方で、国際社会で外科医として生きていくために自分に足りない部分も自覚できました。一つ目に、他国の先生方と比較して圧倒的に英語力が劣っていることを痛感しました。私は話の内容についていくのが精一杯で、私のためにゆっくり話していただくこともありました。積極的に話そうと試みましたが、専門的な討論を行うのは難しかったです。二つ目は、自分の意見の主張が弱い点です。現時点では、ガイドラインを学び、自大学の標準治療を学び、どのような経過をたどるかを学んでいる段階で、確固とした意見を持てていません。一つ一つの治療方針について、自分なりの答えを見つけていくことが今後の課題だと感じました。最後に、積極性の違いを実感しました。一緒に参加した方の中には、自分でインターネット検索し、直接Yang, Han-Kwang教授にメールを送り実習に参加している方もいました。私は与えられた環境に満足し、自ら求める意志が弱いなと感じました。
Seoul National University Hospital への通勤風景
Lee教授とフェローのKim先生と取らせていただいた1枚
おわりに
最後になりますが、今回このような貴重な機会を竹内先生をはじめとした、外科学第二講座の皆様にご支援いただきありがとうございました。